タクシー運転手の二種免許取得支援にはどのような制度がある?

タクシー運転手の二種免許取得支援にはどのような制度がある?

タクシー運転手の二種免許取得支援には、タクシー会社が費用を負担する制度、ハローワークなどを通じて利用できる公的支援、教習所の分割払いなどがあります。特に多いのは、会社が教習費を立て替え、入社後の勤務を条件に返済を免除または軽減する「養成制度」です。

ただし、支援額、対象者、勤務期間、退職時の返済条件は会社や制度によって異なります。応募前に、二種免許の取得費用だけでなく、教習中の給与、合格できなかった場合の扱い、退職時の返済額まで確認することが大切です。

二種免許取得支援には主に4種類ある

支援制度は、費用を誰が負担するかと、返済が必要かどうかで分けて考えると判断しやすくなります。

支援の種類 主な内容 確認が必要な条件
タクシー会社の養成制度 会社が教習費の全部または一部を負担し、二種免許取得後に乗務員として採用する 勤務期間、退職時の返済、教習中の給与、対象となる教習所
会社による費用の貸付・立替 会社が費用を貸し付け、一定期間勤務すると返済が免除される場合がある 貸付契約、免除条件、途中退職時の残額、利息や手数料の有無
教育訓練給付 厚生労働大臣の指定講座を受講した場合、条件に応じて受講費用の一部が支給される 講座が指定対象か、雇用保険の加入期間、申請時期、支給上限
ハローワークなどの職業訓練 求職者向けの訓練や就職支援の中で、運転業務に必要な資格取得を目指せる場合がある 募集時期、居住地域、訓練内容、受講要件、生活支援の対象 여부

表の制度はすべての人が同時に利用できるわけではありません。会社の制度と公的支援を併用できるか、受講前に会社とハローワークなどの窓口へ確認してください。

タクシー会社の「二種免許取得支援」が最も利用しやすい理由

タクシー会社の養成制度は、採用と二種免許取得を一体で進められる点が特徴です。応募時点で二種免許を持っていない人を対象に、会社が指定する教習所へ通い、取得後に乗務を始める流れが一般的です。

支援の形は会社ごとに異なり、次のようなパターンがあります。

  • 教習費を会社が全額負担する
  • 教習費の一部だけを会社が負担する
  • 会社が費用を立て替え、一定期間勤務すると返済が免除される
  • 免許取得後の給与から分割で支払う
  • 教習期間中も給与または手当が支給される

「取得費用無料」と書かれていても、実際には貸付制度であり、短期間で退職すると返済が必要な場合があります。無料かどうかだけでなく、支援が給与、補助金、貸付金のどれに当たるのかを確認しましょう。

会社の制度で確認する項目

求人票や採用ページだけでは詳細が分からないこともあるため、応募前または面接時に次の項目を確認します。

  • 二種免許の教習費、受験料、教材費、証明書費用のどこまでが対象か
  • 会社が指定する教習所に通う必要があるか
  • 教習中の給与、日当、交通費が支給されるか
  • 免許取得後に、何か月または何年勤務する必要があるか
  • 勤務条件を満たす前に退職した場合、いくら返済する必要があるか
  • 不合格や教習の延長があった場合の追加費用を誰が負担するか
  • 免許を取得できなかった場合に採用が取り消されるか
  • 入社前に契約書や誓約書への署名が必要か

教育訓練給付は二種免許なら必ず使えるのか

二種免許の教習だからといって、必ず教育訓練給付を受けられるわけではありません。対象になるのは、厚生労働大臣の指定を受けた講座で、受講者自身が雇用保険などの要件を満たしている場合です。

同じ教習所でも、すべての二種免許コースが給付対象とは限りません。普通二種、大型二種など免許の種類や講座名によって扱いが分かれることがあるため、申し込む前に教習所とハローワークで確認します。

確認する順番は次のとおりです。

  1. 通いたい教習所に、二種免許の教育訓練給付対象講座があるか尋ねる。
  2. 講座名、指定番号、対象となる費用、受講開始日を確認する。
  3. 自分の雇用保険の加入期間などが支給要件を満たすか、ハローワークで確認する。
  4. 会社の支援制度を使う場合は、会社負担分と給付対象費用が重ならないか確認する。
  5. 必要な申請を、指定された期限までに行う。

教育訓練給付は、申請すれば受講料がその場で無料になる制度とは限りません。いったん自分で支払った後に申請する仕組みもあるため、支給時期と自己負担額を事前に計算してください。

ハローワークの職業訓練を利用できる場合もある

離職中など一定の条件に当てはまる人は、ハローワークで職業訓練や就職支援について相談できます。地域や募集時期によって、タクシー運転手などの運輸業への就職を想定した訓練が実施される場合があります。

ただし、すべての地域で常に二種免許の訓練が募集されているとは限りません。「二種免許を取得できる職業訓練が現在募集されているか」「訓練費用や通所費の支援があるか」「訓練後の就職先に条件があるか」を、住所地を管轄するハローワークで確認しましょう。

職業訓練の募集が見つからない場合でも、ハローワークからタクシー会社の求人や、会社独自の免許取得支援を紹介してもらえる可能性があります。制度があると決めつけず、現在の募集状況と自分の要件を確認することが必要です。

二種免許取得支援を使う前に、免許の要件も確認する

二種免許を取得するには、普通免許などの保有状況、運転経験、年齢、視力などの要件を満たす必要があります。一定の教習を受ける特例によって年齢や運転経験の扱いが異なる場合もあるため、自分が通常の取得要件と特例のどちらに該当するかを教習所や運転免許センターで確認してください。

また、二種免許を取得しても、タクシー会社の採用条件をすべて満たすとは限りません。健康状態、運転経歴、地域の営業制度、勤務時間への対応など、会社ごとの採用条件が別に定められていることがあります。

自分に合う支援制度の選び方

現在働いているか、離職中か、希望する会社が決まっているかによって、先に確認する制度が変わります。

状況 先に確認する支援 判断のポイント
希望するタクシー会社が決まっている 会社の養成制度 費用負担と勤務義務、退職時の返済条件を比較する
離職中で就職先を探している ハローワークの職業訓練、求人紹介 現在募集中の訓練と、二種免許支援付き求人を確認する
在職中で自分で教習所を選びたい 教育訓練給付、教習所の支払い制度 講座の指定状況と、自分の雇用保険の要件を確認する
複数の会社を比較したい 各社の養成制度 支援額だけでなく、給与、勤務時間、返済条件を同じ項目で比べる

会社の支援を利用する場合は、免許取得費用だけで会社を選ばないことが重要です。支援期間中の勤務条件や、免許取得後の給与体系、乗務開始までの流れも合わせて確認しましょう。

申し込み前に確認する手順

支援制度の条件を後から知ると、想定より自己負担が増えたり、返済義務が発生したりすることがあります。次の順番で確認すると、制度の違いを整理できます。

  1. 普通免許などの保有状況、年齢、運転経験が二種免許の取得要件に合うか確認する。
  2. 希望するタクシー会社に、二種免許取得支援の対象求人があるか問い合わせる。
  3. 教習費、受験費、交通費、教習中の生活費を含めた自己負担額を確認する。
  4. 教育訓練給付や職業訓練を利用できるか、教習所とハローワークに確認する。
  5. 会社の支援契約や貸付契約を読み、勤務期間と退職時の返済額を書面で確認する。
  6. 条件を比較してから、入社または教習の申し込みを行う。

特に、会社の支援を利用する場合は、口頭説明だけで判断せず、費用負担と返済条件が書かれた書面を保管してください。

タクシー運転手の二種免許取得支援を選ぶポイント

二種免許取得支援は、会社の養成制度を中心に、公的な給付や職業訓練を組み合わせて検討するのが基本です。希望する会社が決まっている人は会社の支援条件を、離職中の人はハローワークの募集状況を、在職中で自分で教習所を選びたい人は教育訓練給付の対象講座を先に確認しましょう。

最初に行うことは、希望する教習所またはタクシー会社へ「二種免許の教習費以外に、どの費用が支援対象か」「途中退職時に返済が必要か」を問い合わせることです。支援額だけでなく、取得後の勤務条件と返済義務まで確認してから申し込むと、自分に合う制度を判断しやすくなります。