タクシー運転手は、定年後に再雇用してもらえる場合があります。ただし、再雇用が自動的に決まるわけではなく、勤務先の定年制度や継続雇用制度、本人の健康状態・運転資格などによって判断されます。
日本の法律では、会社に対して65歳までの雇用機会を確保する措置が求められています。その方法の一つが、定年後の再雇用などによる「継続雇用制度」です。
タクシー運転手の定年後の再雇用は会社の制度で決まる
定年後に再雇用されるかどうかは、勤務先がどの雇用制度を採用しているかで変わります。
- 定年を引き上げて、同じ雇用契約のまま働く
- 定年を廃止する
- 定年後に再雇用し、契約社員などとして働く
タクシー会社が「継続雇用制度」として再雇用を採用していれば、定年後も働ける可能性があります。一方、再雇用後の勤務日数、給与、歩合率、勤務時間、雇用期間などは、定年前と変わることがあります。
なお、法律上、すべてのタクシー会社が必ず同じ条件で再雇用しなければならないという意味ではありません。会社の就業規則や継続雇用制度の内容を確認する必要があります。
65歳までは雇用機会の確保が会社に求められている
事業主には、65歳までの安定した雇用を確保するため、定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年の廃止のいずれかを講じることが求められています。
そのため、定年が60歳のタクシー会社でも、再雇用などによって65歳まで働ける制度を設けていることがあります。ただし、会社が再雇用制度ではなく、定年の引き上げや定年廃止を採用している場合もあります。
高年齢者の雇用確保措置については、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律で定められています。
65歳を超えて働けるかは会社ごとに異なる
65歳から70歳までの就業機会を確保することについて、会社には努力義務があります。ただし、65歳までの雇用確保措置とは扱いが異なり、すべての会社に70歳までの再雇用が義務付けられているわけではありません。
70歳以降も働けるかどうかは、会社の制度、本人の希望、健康状態、勤務実績、営業所の方針などによって決まります。70歳を超えて働きたい場合は、定年前ではなく、早めに会社へ制度の有無を確認しておくと判断しやすくなります。
再雇用で確認されやすい条件
タクシー運転手の再雇用では、年齢だけでなく、次のような条件も確認されます。
健康状態と運転への適性
タクシー運転は乗客を乗せて長時間運転する仕事です。そのため、視力や聴力、持病、服薬状況、疲労の出方などが、会社の乗務基準や健康診断で確認されることがあります。
定年後も運転できるかは、単に年齢だけで決まるものではありません。会社が定める健康上の基準を満たせるか、無理なく安全に乗務できるかが重要です。
第二種運転免許と資格の状態
タクシー運転手には、一般に第二種運転免許が必要です。免許の有効期限が切れていないか、更新手続きが済んでいるかを確認します。
また、一定年齢以上の運転免許更新では、年齢に応じて認知機能検査や高齢者講習などが必要になる場合があります。必要な手続きは年齢や免許の種類によって異なるため、運転免許証の更新案内や都道府県警察の情報を確認してください。
勤務実績や乗務上の問題
無事故・無違反か、欠勤が多くないか、接客上の問題がないかなど、これまでの勤務状況が再雇用の判断材料になることがあります。
ただし、具体的な判断基準は会社ごとに違います。再雇用の条件として何が見られるかは、就業規則や会社への確認が必要です。
再雇用後は給与や働き方が変わることがある
定年後の再雇用では、次のような変更が行われることがあります。
| 確認項目 | 変更される可能性がある内容 |
|---|---|
| 雇用形態 | 正社員から契約社員、嘱託社員などに変わる |
| 勤務日数 | 週5日勤務から週3日勤務などに変わる |
| 勤務時間 | 昼勤務中心、短時間勤務などに変わる |
| 賃金 | 基本給、歩合率、手当、賞与などが変わる |
| 契約期間 | 1年ごとの更新制などになる |
「再雇用される」とだけ聞いて、定年前と同じ給与や勤務条件だと考えないことが大切です。再雇用契約を結ぶ前に、月給の計算方法、歩合率、最低保障、勤務日数、契約更新の条件を確認しましょう。
定年後の再雇用を希望する場合の確認手順
再雇用を希望する場合は、次の順番で確認すると条件を整理できます。
- 就業規則で定年年齢と継続雇用制度の有無を確認する
- 再雇用の申出期限と申請方法を人事担当者や営業所に確認する
- 再雇用後の雇用形態、契約期間、更新条件を確認する
- 勤務日数、勤務時間、乗務できる時間帯を確認する
- 基本給、歩合率、手当、賞与、社会保険などの条件を確認する
- 健康診断や運転適性、免許更新など、乗務に必要な条件を確認する
- 条件を確認したうえで、再雇用契約書や労働条件通知書を受け取る
会社から「再雇用できる」と言われた場合でも、口頭の説明だけで判断せず、給与や契約期間などを文書で確認してください。
再雇用されない場合に確認すること
再雇用を断られた場合は、まず会社が定める継続雇用制度の対象年齢や条件を確認します。定年年齢、再雇用の申請期限、健康基準、契約更新の条件などが判断に関係することがあります。
理由が分からないまま退職届を提出せず、就業規則、再雇用の案内、会社からの説明を確認しましょう。制度の適用や労働条件について疑問がある場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーなど、公的な相談窓口に相談する方法もあります。
まとめ
タクシー運転手は、定年後に再雇用してもらえる可能性があります。特に65歳までは、会社に雇用機会を確保する措置が求められているため、勤務先に継続雇用制度があるかを確認しましょう。
ただし、再雇用の有無や条件は会社ごとに異なり、給与、勤務日数、契約期間、健康基準などが変わることがあります。まずは就業規則と再雇用後の労働条件を確認し、定年前と同じ条件で働けるとは限らない点を踏まえて判断してください。







