タクシー運転手は社会保険完備で働ける?

タクシー運転手は社会保険完備で働ける?

タクシー運転手は、社会保険完備の会社で働けます。特に法人タクシーの正社員や、加入条件を満たす契約社員は、健康保険・厚生年金に加えて、雇用保険・労災保険にも加入するケースが一般的です。ただし、「社会保険完備」は会社ごとの求人表示であり、雇用形態や勤務時間によって加入できない場合もあります。

タクシー運転手の「社会保険完備」とは

求人でいう「社会保険完備」は、通常、次の4つの保険に加入できることを指します。

保険 主な保障
健康保険 病気やけがの治療費、傷病手当金など
厚生年金保険 老後の年金、障害年金、遺族年金など
雇用保険 退職後の失業給付、育児休業給付など
労災保険 仕事中や通勤中のけが、病気、死亡など

健康保険と厚生年金を「社会保険」と呼び、雇用保険と労災保険を含めて「各種社会保険完備」と表示する求人もあります。求人票では、どの保険を指しているのかを確認すると安心です。

加入できるかは雇用形態と勤務条件で決まる

法人タクシーの正社員であれば、社会保険の加入対象になる可能性が高い一方、アルバイト、短時間勤務、業務委託では扱いが異なります。

働き方 加入の考え方
法人タクシーの正社員 4つの保険すべての対象になることが多い
契約社員 契約期間や勤務時間などの条件を満たせば対象になる
パート・アルバイト 勤務時間・日数などが一定条件を満たす場合に加入する
個人タクシー 自営業者として扱われ、会社員向けの健康保険・厚生年金とは異なる
業務委託の運転手 原則として自分で国民健康保険や国民年金などを手続きする

雇用保険は、原則として週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上雇用される見込みがある場合などに加入対象となります。労災保険は、雇用されて働く人であれば、勤務時間の長さにかかわらず対象となるのが基本です。

健康保険・厚生年金は、勤務先が適用事業所であることに加え、所定労働時間や勤務日数などの条件で判断されます。短時間勤務者については、会社の規模や契約内容などによって加入条件が変わるため、求人票だけで判断しないことが大切です。

法人タクシーなら加入しやすい理由

法人の事業所は、健康保険と厚生年金の加入が原則として義務付けられています。また、法人タクシーの運転手は会社と雇用契約を結んで働く形が多く、雇用保険や労災保険の対象にもなります。

ただし、法人タクシーであっても、すべての働き方が同じ条件とは限りません。たとえば、短時間勤務、日雇いに近い契約、業務委託契約などでは、加入の扱いが変わる可能性があります。

保険料は会社と本人が負担する

健康保険、厚生年金、雇用保険の保険料は、原則として給与から本人負担分が差し引かれます。健康保険と厚生年金は会社と本人が負担を分け合い、労災保険の保険料は会社が全額負担します。

本人の負担額は、給与や標準報酬、加入する健康保険制度、都道府県などによって変わります。歩合給の割合が高いタクシー会社では、給与の変動にともなって社会保険料の計算基礎が変わることもあります。

求人票で確認するポイント

「社会保険完備」と書かれていても、自分の雇用条件で加入できるかを次の順番で確認してください。

  1. 雇用形態が正社員、契約社員、パート、業務委託のどれかを確認する。
  2. 健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険のどれが対象かを確認する。
  3. 試用期間中も加入するのか、入社日から加入するのかを確認する。
  4. 勤務時間・勤務日数が、各保険の加入条件を満たすか確認する。
  5. 給与明細から保険料が控除される時期と、会社負担の有無を確認する。

面接では、「入社後、健康保険と厚生年金にはいつから加入しますか」「業務委託ではなく雇用契約ですか」「雇用保険と労災保険も対象ですか」と具体的に質問すると、求人表示との違いを確認できます。

社会保険完備のタクシー会社を選ぶときの注意点

「社会保険完備」は、給与額や手取り額を保証する制度ではありません。タクシー運転手は、基本給、歩合給、最低保障給、賞与、勤務日数によって収入の計算方法が会社ごとに異なります。

また、社会保険に加入すると保険料の本人負担分が給与から差し引かれるため、額面給与と手取り給与は異なります。一方で、厚生年金に加入すると、国民年金だけの場合と比べて年金の計算や会社負担の有無が変わります。

タクシー運転手が社会保険完備で働けるかは、会社の法人・個人の区分だけでなく、雇用契約と勤務条件で決まります。応募前に、4つの保険の種類、加入時期、雇用形態、給与からの控除額を確認しましょう。